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ピルと乳がんの関係

診察でときどきピルと乳がんの関係について聞かれることがあります。

いろいろな研究がありますが、わずかに乳がん発症リスクを高める可能性があるといわれています。

しかし女性にとってピルは避妊に加えて、生理の調節や生理痛の改善になくてはならないものです。

女性の健康的なライフスタイルのためにも当院では1年に1回の検診をお勧めします。

以下は患者さんのための乳癌診療ガイドラインからの引用です。

経口避妊薬と乳がん

日本でも1999年9月に経口避妊薬(oral contraceptive; OC)が使用できるようになりました。経口避妊薬も,ホルモン補充療法と同様に,エストロゲンとプロゲスチンを組み合わせて使用されています。避妊を目的とする場合は自費で処方されます。一方,月経困難症や子宮内膜症に伴う疼痛の改善を目的とする場合は,組み合わせるホルモンの種類や量はOCと同じですが,保険適用のある製剤を使用することができ,低用量エストロゲン・プロゲスチン製剤(low dose estrogen progestin; LEP)と呼ばれています。世界的にはOCやLEPと乳がん発症リスクについては数多くの研究がなされています。それらの研究報告をまとめて検討すると,OCやLEPの服用は,乳がん発症リスクをわずかながら高める可能性がありますが,含有されるエストロゲンの量や製剤の種類などを考量すればリスクが増加しない可能性もあり,まだ一定の見解が得られていません。