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子どもが頭を打った時の注意

子供が頭を打った時、次の1~6のような症状があれば、すぐに脳神経外科のある医療機関を受診する必要があります。

1.元気がなく、ぼんやりしていてすぐに眠ってしまう(意識障害がある)。

2.吐き気や嘔吐が起こる。

3.頭痛を訴える。

4. 会話がおかしい(会話の内容が混乱している、健忘がある)。

5. けいれんやひきつけが起こる。

6. 片側の手足の動きが明らかに悪い、しびれ(麻痺)を訴える。

頭を打った後の様子がいつもと変わらない場合でも注意が必要です。時間が経ってから頭痛や、嘔吐、意識障害などが出てきて致命的となる場合があります。これは急性硬膜外血腫などで見られる現象で、頭蓋内出血といっても出血源は脳を包む硬膜や骨折部であって、脳自体ではありません。脳自体には損傷がないので、たとえ頭の中で出血していても、血の固まり(血腫)が大きくなって、脳を圧迫するようになるまでは、何も症状が出ないのです。

症状がない時期にもCTを撮影すれば、出血を検出することができます。ただ小さな子供はじっと出来ないので、鎮静なしでCTを撮ることは極めて困難です。症状のない元気な乳幼児の場合は、まず簡単に撮れる頭の骨の写真を撮ります。これで明らかな骨折を認めれば、CT撮影を行います。

経過観察のポイント

多くの頭蓋内出血の始まりは受傷時です。後から突然出血が始まることは少ないです。従ってもし出血があって、その勢いが激しければ、受傷後短時間(1~3時間)で症状が出現します。逆に受傷後無症状が長く続いているということは、出血していない可能性が高いことを意味します。このことから受傷後最初の1~3時間は特に注意する必要があり、6時間、12時間さらに24時間と時間が経っても元気なら、安心して良いと言うことになります。その際、乳幼児では症状がわかりにくいので、次の1~4のような状態が続いていれば、問題ないと考えられます。

1. 機嫌がよい。

2. ミルクの飲みや、食欲に変化がなく、普段通り。

3. 元気に遊んでいる。

4.嘔吐がない

また、小児では内出血が無くても嘔吐することがあります。この場合もCT検査をする必要があり得ますので、脳神経外科を受診しなければなりません。